概要
春猿火は KAMITSUBAKI STUDIO に所属するバーチャルシンガーであり、V.W.P のメンバーでもある。高い瞬発力と感情の押し出しを持つ歌唱で知られ、神椿の中でも特にエネルギーの強い存在として認識されることが多い。
冷たさや距離感よりも、まず歌声の勢いが前に出るタイプであり、時に台風のように力強く、時にあどけない少女のように変幻自在な表現力でリスナーを引き込む。その点が他メンバーとの大きな対照にもなっている。
役割と創作上の位置づけ
春猿火の魅力は、荒々しさだけでなく、幼さや無垢さを残した声色が同居している点にある。楽曲のジャンルに縛られるより、声の推進力そのものが作品の重心になることが多い。
V.W.P の中では、より直接的な熱量を持ち込むポジションとして機能する場面が多く、派生曲やライブでの化学反応も見どころになっている。
人物像とエピソード
- ラップの出発点:本格的にラップへ挑戦し始めたのは神椿に入ってからで、それ以前はラッパーとして活動していたわけではない;
- 名前の由来:春猿火という名前の由来は「秘密」;
- 好きな動物:猫考えていることが読めないからとハムスター考えていることが読めるから;
- 呼ばれ方:姉や姐さんと呼ばれるのは好まず、多くは「春ちゃん」と呼ばれる;
- 最近の推し:シュークリーム;
- 好きな歌手:supercell、EGOIST、ラッパーの唾奇;
- 成人式の後に行きたい場所:水族館。のちに情緒と一緒に行った。
- 得意な運動:水泳。ただし長く泳いでおらず、最後に泳いだのがいつかも忘れてしまった。
- 神椿のメンバーについて:全員のファンだと公言している。花譜の頭を撫でたい、理芽と一緒に子守唄を歌いたい、情緒に歌のコツを教わりたい。
- 声の評価:声質と歌唱法の振れ幅が大きいため、多重人格ではないかとからかわれたことがある。
基本資料とキャラクター設定
春猿火は当初「Virtual Rapper」として紹介された。穂竹藤丸によるデザインは、黒髪の赤青のメッシュ、金色の瞳、ヘッドホン、機能性とストリート感を併せ持つ衣装によって識別される。「Virtual Rapper」は重要な出発点だが、作品全体を伝統的なラップだけに限定する言葉ではない。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| キャラクターデザイン | 穂竹藤丸 |
| 初期代表曲 | 「逆転」「Lift Up」「猛進」「オオゴト」「告げ口」 |
| 主要アルバム | 『心眼』 |
| 音声の展開 | 春猿火の歌声をもとにした音楽的同位体「羽累」 |
形態・設定・エピソード
春猿火は2020年の花譜『不可解(再)』で初めて3Dモデルを披露し、その後ワンマンライブや神椿の大型公演に合わせて形態を更新してきた。「多重人格」などの表現はキャラクターやファン文化の文脈であり、現実の診断を意味しない。羽累は春猿火とは別の音楽的同位体である。
造形・ビジュアル資料
春猿火のキャラクターデザインはイラストレーター穂竹藤丸が担当し、全体に「ストリートの少年感 × 高温の燃焼」という方向性を持つ。
| 項目 | 設定 |
|---|---|
| 髪 | 黒の腰まであるロングヘア、一部に赤と青のメッシュ |
| 瞳 | 黄色 |
| アクセサリー | チェーンと黄色い麻花結びの飾りが付いたヘッドホン |
| 上着 | 白のノースリーブ、赤のフィンガーレスグローブ、青のオフショルダー |
| 下衣 | 黒のショートパンツとハイカットブーツ |
| ソックス | 左足は破れたロングソックス、右足はストラップ付きの網タイツ(左右非対称が最大の特徴) |
左右非対称のソックスと「破壊—束縛」のモチーフは、彼女の音楽に繰り返し現れる反抗・傷・自己解放の主題と呼応しており、V.W.P の中でも最も攻撃的な視覚構成である。
歩み
2019年
- 11月15日:初のティザー映像を投稿し、活動を開始。
- 12月25日:1stオリジナルシングル『逆転』をリリース。
2020年
- 3月23日:花譜 1st LIVE「不可解(再)」にゲスト出演し、3Dモデルを初披露。
- 7月30日:4thオリジナルシングル『オオゴト』をリリース。
- 9月28日:5thオリジナルシングル『告げ口』をリリース。
- 12月5日:初の配信カバーライブ「シュークリームライブ」を開催。
2021年
- 1月16日:YouTubeチャンネルの登録者数が10万人を突破。
- 3月14日:花譜 2nd LIVE「不可解弐Q2」にて、花譜、理芽、ヰ世界情緒、幸祜と共にバーチャルシンガーユニット「V.W.P」の結成を発表。
- 8月27日:HULIC HALL TOKYOにて、1st ONE-MAN LIVE「シャーマニズム」を開催。
- 10月6日:1stアルバム『心眼』をリリース。
2022年
- 1月28日:オリジナルシングル『Oarana』をリリース(アニメ『地球外少年少女』主題歌)。
- 8月6日:配信カバーライブ「シュークリームライブ2」を開催。
- 11月6日:幸祜、CIELとの合同ライブ「Singularity Live 2」を開催。新曲『自由までの距離』を披露し、音楽的同位体「羽累」の3Dモデルが初公開された。
2023年
- 11月4日:SINKA LIVE SERIES EP.Ⅲ 春猿火 2nd ONE-MAN LIVE「シャーマニズムⅡ – 神椿市弐番街 -」を開催。
2024年
- 4月10日:「神椿新宿戦線」の一環として、3rd ONE-MAN LIVE「シャーマニズムⅢ」を開催。
- 8月:バーチャル舞台劇「御伽噺(染)」シリーズに出演開始(「ver0.92_prototype」をお披露目)。
2025年
- 8月27日:オリジナルシングル『(A)letheia』をリリース(フリーホラーADVゲーム『春琉ト怪夜』主題歌)。
- 11月2日:「KAMITSUBAKI FES ‘25」に出演。
2026年
- 6月24日:Remix Album『GLITCH STAGE』をリリース。
- 9月5日 - 6日:「KAMITSUBAKI WARS 2026 神椿横浜戦線」に出演予定。
音楽作品・ライブとコラボレーション
初期楽曲は高い推進力を持つラップ路線を築き、『心眼』でアルバムとしてまとめられた。「春猿火自由律」は日常の言葉やその場の感情を記録する短編企画で、正式リリース曲とは区別する。「居場所」「覚醒 feat. さなり」「哀愁さえも仲間」「Oarana」はメロディやメディア作品との接続を広げた例である。「シャーマニズム」、シュークリームライブ、Singularity Live、V.W.P公演は、彼女のリズム面と感情面での推進力を示す。
たかやんは初期のラップ詞や「自由律」に関わり、穂竹藤丸はキャラクターデザインを担当した。台風のような強さという表現は歌唱・舞台上の比喩であり、固定的なジャンル定義ではない。
出演・声優作品
| 年 | 作品 | 役 | 種別 |
|---|---|---|---|
| 2025 | 《神椿市建設中。》 | 朝主派流 | テレビアニメ |
| 2025 | 《神椿市建設中。REGENERATE》 | 朝主派流 | ゲーム |
朝主派流は《神椿市建设中。》世界観における春猿火の対応キャラクターであり、行動力と近接戦を得意とする性格は春猿火本人のステージ上の気質と一致している。
商業タイアップと主題歌
| 曲 | Tie-up | 時期 |
|---|---|---|
| 《Oarana》 | アニメ《地球外少年少女》主題歌 | 2022 年 |
アニメ主題歌のほか、TV アニメ《神椿市建設中。》などにも主題歌・挿入歌を提供しており、V.W.P の中でも映像作品との結びつきが強いメンバーの一人である。
ライブアーカイヴ
春猿火 STREAMING COVER LIVE「シュークリームライブ」
- カバーを中心としたオンライン配信ライブシリーズで、オフライン公演が難しい時期における春猿火の主要な表現の場であった;
- アニソン、ボカロ曲、J-ROCK まで幅広く選曲し、圧倒的なラップと爆発力を際立たせた;
- 続編として「シュークリームライブ 2」も制作され、シリーズとして定着している。
春猿火 1st ONE-MAN LIVE「シャーマニズム」
- 日時:2021 年 8 月 27 日;
- 構成:《詠唱》を「前部」として導入し、その後《逆転》《猛進》《Life Up》《オオゴト》などの中核曲を連続して歌唱;
- 命名の論理:「シャーマニズム(呪術・薩満)」は、声で呼び寄せ祓うという魔女の職能と響き合う;
- シリーズ展開:のちに「シャーマニズム II」「シャーマニズム III」へと続き、神椿の個人公演の中でも最も連続性の強いシリーズのひとつとなった。
代表作品と関連項目
アルバムとEPの一覧を開く
アルバム / EP
| リリース日 | 種別 | タイトル |
|---|---|---|
| 2021-03-17 | ライブアルバム | CREAM PUFF LIVE |
| 2021-10-06 | スタジオアルバム | 心眼 |
| 2022-10-05 | ライブアルバム | CREAM PUFF LIVE 2 |
| 2023-10-18 | ライブアルバム | CREAM PUFF LIVE 3 |
| 2024-01-24 | スタジオアルバム | 心獣 |
| 2025-02-19 | スタジオアルバム | RULE THE WORLD |
| 2025-09-24 | ライブアルバム | CREAM PUFF LIVE 4 |
| 2026-02-18 | スタジオアルバム | SPICE OF LIFE |
| 2026-06-24 | スタジオアルバム | GLITCH STAGE |
シングル一覧を開く
シングル
| リリース日 | タイトル |
|---|---|
| 2020-12-09 | 台風の眼 |
| 2021-01-27 | 居場所 |
| 2021-06-23 | 覚醒 |
| 2021-06-23 | 覚醒 (feat. sanari) |
| 2021-08-18 | 哀愁さえも仲間 |
| 2021-10-06 | 告げ口 |
| 2021-10-06 | 青春 |
| 2021-10-06 | 逆転 |
| 2021-10-06 | 猛進 |
| 2021-10-06 | INTRODUCTION -目- |
| 2021-10-06 | Lift Up |
| 2021-10-06 | OUTRODUCTION -眼- |
| 2021-10-06 | オオゴト |
| 2022-01-28 | Oarana |
| 2022-06-29 | 百花繚乱 |
| 2022-09-21 | テラ |
| 2022-11-16 | 自由までの距離 |
| 2023-02-08 | 潜む自信 |
| 2023-06-28 | 台風の子 |
| 2023-08-25 | daydream |
| 2023-11-05 | 迷人 |
| 2024-01-15 | 身空歌 |
| 2024-01-24 | 中間地点 |
| 2024-01-24 | 声帯学 |
| 2024-01-24 | friction |
| 2024-01-24 | Interlude #1 -ケダモノ- |
| 2024-01-24 | Interlude #2 -eventide- |
| 2024-01-24 | Wind walker |
| 2024-01-24 | ディストーション |
| 2024-01-24 | フリーフォール |
| 2024-04-11 | 巫女 |
| 2024-07-12 | 砂時計 |
| 2024-10-16 | META |
| 2025-01-08 | SWIPE! |
| 2025-02-19 | 回向 -echo- |
| 2025-02-19 | Deep Invite |
| 2025-02-19 | room wear |
| 2025-02-19 | Starcloud |
| 2025-02-19 | XRXD |
| 2025-05-09 | YONA YONA (feat. Rin音) |
| 2025-08-06 | 距離。 |
| 2025-08-27 | (A)letheia |
| 2026-02-18 | 人に優しく |
| 2026-02-18 | 気が狂いそう |
| 2026-02-18 | 君という存在 |
| 2026-02-18 | 昼夜逆転 |
| 2026-02-18 | 昼の夢 |
| 2026-02-18 | 家に帰ろう |
| 2026-02-18 | 旅行 |
| 2026-02-18 | 朝活 |
| 2026-02-18 | 愛猫 |
| 2026-02-18 | AM 2:00 |
| 2026-02-18 | Mic Check |
| 2026-02-18 | No Music, No Life |
| 2026-02-18 | アイシタイ |
| 2026-02-18 | アソビタイ |
| 2026-02-18 | ありがとう |
| 2026-02-18 | アルコール |
| 2026-02-18 | クッキング |
| 2026-02-18 | チーム |
| 2026-02-18 | ゆっくりいこう |
| 2026-04-14 | Splash. (feat. 春猿火) |
| 2026-05-27 | Accomplice |
「春猿火自由律」シリーズ
**「春猿火自由律」**は 2020 年から Twitter 上で連載された短編ラップ企画である。異なるプロデューサーがトラックを提供し、春猿火と たかやん が共同で作詞する。「即興の日記」に近い形式で、日常の心情と時代の空気を記録してきた。
| 番号 | 公開日 | 曲名 | Prod. | 作詞 |
|---|---|---|---|---|
| #01 | 2020-06-13 | 《初見さんラップ》 | Kiyoto | たかやん・春猿火 |
| #02 | 2020-07-04 | 《おうちこもりラップ》 | RIKIYA | たかやん・春猿火 |
| #03 | 2020-08-05 | 《平和祈るラップ》 | Sinato | たかやん・春猿火 |
| #04 | 2020-10-14 | 《ラブレター》 | Piper Beats | たかやん・春猿火 |
| #05 | 2020-12-17 | 《iのアンサー》 | pink | たかやん・春猿火 |
意義:神椿の中で珍しい「連載型」の創作企画であり、春猿火がラッパーとしての identity を確立した主要な道筋である。実際に本格的にラップへ挑戦し始めたのは神椿に入ってからであり、自由律シリーズはその成長の可視化された記録である。2026 年発表のアルバム《自由律》はこのシリーズから名付けられた。
関連企画 / 関連設定
春猿火は V.W.P、神椿のライブシリーズ、そして音楽的同位体「羽累 / HARU」とつながる。神椿の音楽地図の中では、衝撃と速度を担当する重要な極として見ることができる。
参考資料
- KAMITSUBAKI STUDIO 公式アーティストページ:https://kamitsubaki.jp/artist/harusaruhi/
- KAMITSUBAKI STUDIO 公式 V.W.P ページ:https://kamitsubaki.jp/artist/v-w-p/
- 中文維基百科:V.W.P:https://zh.wikipedia.org/wiki/V.W.P
